高田小学校(岡山県津山市下横野)で20日、郷土の伝統的工芸品・横野和紙の紙すき体験が行われ、5年生17人が地域に伝わる手漉(す)き和紙の技術に触れた。
同校が毎年行っている地域の文化を学ぶ学習で、県重要無形文化財保持者の上田繁男さん(80)=上横野=が指導した。上田さんは、横野地区では金箔を挟むための箔合紙を作っていることや、同じ厚さの紙を何枚も漉く職人の技、和紙を作るための道具と材料などについて説明した。続いて子どもたちは、たらいに水と原料のミツマタ、トロロアオイを入れて混ぜ、網を付けた木の枠で手漉きに挑戦。「枠を真っすぐ引き上げて」といったアドバイスを聞きながら真剣な表情で枠をゆすって繊維を均等に分散させ、できた和紙を破れないよう慎重に道具からはがした。
正木無人君(10)と鍜治元響葉さん(10)は「薄く均等にするのはとても難しくて、上田さんが漉く紙はすごいと思った。地域の大切な和紙の文化を守っていきたい」と話していた。
p
上田さんに教わって紙すきを体験する子どもたち