樫邑小学校(真庭市樫西)の全校児童は4日、同所の樫西和紙工房で「紙漉(す)き」を体験した。計7人が県下有数のミツマタの産地である地区の伝統工芸に触れた。
このうち1、2、4年児童たちは同工房の職人・小川秀雄さん(75)の指導を受けながら挑戦。砕いたミツマタの繊維とトロロアオイの「ネリ材」を混ぜた「紙料液」を、竹簀(す)を敷いた道具「漉桁(すきげた)」ですくいとり、繊維が均等に広がるようにゆっくりと動かした。
小川さんは時には手伝いながら「皺(しわ)になった部分は光を当てると、きれいな透かし模様に見えるから失敗しても大丈夫」とアドバイス。子どもたちは何度も頑張っていた。漉いた紙は温めた鉄板に貼り付けて乾かし完成させた。
4年・金﨑大和君(9)は「毎年頑張っているけどやっぱり難しい。その分できあがるとうれしい。早速絵を描いてみたい」と話した。
同校では工房が操業し始めてから35年間、授業の一環で和紙作り体験を実施している。25日には6年生が「樫西和紙」の卒業証書を製作するため、再び手漉きに挑戦する。
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樫西和紙の製作に挑戦する児童たち
樫邑小学校 樫西和紙工房「紙漉(す)き」体験