歌曲と作州弁(岡山県北の方言)の寸劇によるオリジナル舞台公演「漂泊の歌人と新興の俳人」(作州ミュージカルポエム主催)が10日、同県鏡野町竹田のペスタロッチ館で開かれた。美作地域ゆかりの歌人・平賀元義、俳人・西東三鬼らの作品や半生が斬新に表現され、約80人の観衆を魅了した。
明治から昭和にかけて活躍し、郷土の自然の美しさや戦争の悲惨さを詠んだ元義、山鬼、阿部青鞋、渡邊白泉の4人に舞台芸術でスポットライトを当てようと企画。郷土史家の竹内佑宜さんが総監督を務め、元作陽短大教授で作曲家の矢内直行さんが作曲を担当した。
ステージ前半では、みゅーじかる劇団きんちゃい座の団員が、製茶工場の従業員や温泉旅館の女主人らを熱演し、三鬼たちの性格やエピソードについて話した。ピアニストの鳥越由美さん、チェリストの小川照夫さんの伴奏にのせ、テノール歌手の田中誠さんらが情感たっぷりに詠唱した。
後半は元義の和歌でつくる組曲や、竹内さんのトークが繰り広げられ、観衆は時代背景や人物の心情に思いを馳せながら、余韻に浸った。