世界的に活躍する彫刻家・画家の武藤順九さん(73)=岡山県津山市=が14日、自宅の一角に設けた新たなアトリエのお披露目会を開き、市内外のファンや友人、行政関係者らが祝いに駆けつけた。
居宅にしている外科医院だった建物の一室(120平方メートル)を改装。コンクリート打ち放しのスペースに独創的な抽象石彫や墨絵、フレスコ画などが飾られた中、武藤さんのプロジェクトを支援する有志、谷口圭三市長、太田昇真庭市長らを含め約50人が参加した。
この日は、音楽プロデューサーで台湾出身のチェロ奏者・三船文彰さん(岡山市)が友人のつながりで来場。やわらかな深い音色でクラシックの名曲をアート空間に響かせて聴衆を魅了したほか、中学時代に田町へホームステイした思い出なども話して会場を盛り上げた。
イタリアに半世紀近く拠点を置き、ローマとピエトラサンタにもアトリエがある武藤さんは「欧州ではアートと音楽の融合を楽しむことがままあり、今日はぜいたくな時間をありがとうございました。豊かな歴史や文化の息づくこの津山に終生のアトリエを構えた。大好きな人たちとともに制作や新たなプロジェクトを展開し、県北の魅力を発信していきたい」と礼を述べた。