津山圏域消防組合は10日、気象キャスターとして活躍する岡山県津山市出身の気象予報士・中島望さんを「一日消防長」に委嘱し、同圏域で増加傾向にある火災の発生予防と住宅火災警報器設置や点検を呼びかけた。
委嘱式で西村直樹消防長から委嘱状とたすきを受け取った中島さんは、訓練場で職員の消防手帳や服装を点検した後、「消火活動や救急出動のみならず、自然災害から地域住民の生命、身体、財産を守るため昼夜を問わず任務にあたられ、大変感謝しています。住民のみなさまの安心、安全を守るために協力していきたいと思っています」と抱負を語った。
その後防災、指令センターや車両を見学したほか、119番通報などを模擬体験するなどして見識を深め、職務を終えた。続く津山、真庭、美作3消防本部連絡協議会研修会では気象予報士として登壇。集まった職員80人を前に気象に関する講義を実施し、水害を引き起こす台風や梅雨前線、線状降水帯の仕組みや被災しやすい地域などを解説した。
「職員のみなさんの張りつめた空気を感じて心が引き締まった。犠牲者を出さないためにも住宅火災警報器設置の大切さ、そして出水期を迎えるにあたり、雨風に対する備えも呼びかけていきたい」と話していた。
津山圏域消防組合管内では、今年に入り、9日までに51件の火災が発生。高齢者の逃げ遅れなどが原因で死者5人、負傷者7人に上る。