水を抜いて池の生物を調べる「かいぼり調査」が19日、岡山県真庭市の入道池で行われた。地域の子どもたちも参加して生き物探しに挑戦し、生態系を保全することの大切さを学んだ。
住民でつくる吉縁起村協議会、市、持続可能な地域社会総合研究所主催。神戸大学と岡山理科大学の協力で実施し、市内の小中高校生や住民ら約30人が参加した。
地域の田んぼの水源になっている同池は50年以上水が抜かれたことはないといい、こうした調査は初めて。参加者は地引き網やたも網を使って生物をつかまえた。ドジョウやギンブナ、イトトンボのヤゴなど約30種類の生物を確認した。
また、バケツ1杯の水をくんでそこに含まれるDNAを調べ、どのような生物がいるかを推定する最新科学の「環境DNA解析」も実施。つかまえた生物とどれくらい一致するかを後日確かめる。
同協議会の鈴木昌徳会長は「子どもたちが生物多様性を学ぶ貴重な機会になった。環境DNAから池の状況が分かり、地域農業との関係性なども分かると興味深い」と話した。