1人暮らしのお年寄りたちに食べてもらおうと、津山商業高校の生徒たちは18日、手作りした「孫心(まごころ)弁当」を城北地域に住む86歳以上の96人に届け、喜ばれた。
家庭クラブに入っている3年4組38人が、旬の食材を使って「さつまいもご飯」「鮭の塩こうじ焼き」「ちらし寿司」をはじめ、実習で学んだ9品を調理。ご飯をふっくら柔らかく炊く、具材を細かく切って塩分をひかえめにして味を付ける、ユズを添えるなど栄養のバランスや彩りを考えながら高齢者が食べやすいように工夫を施して詰め合わせた。
その後、できたての弁当を手にして城北西・東地区民生児童委員の案内で各家を訪問。このうち藤田陽さん(18)は総社の稲田善恵さん(88)宅に訪れ、「真心を込めてみんなで一生懸命作りました。どうぞ食べてください」と手渡した。
稲田さんが弁当を受け取るのは3回目。「長生きしてよかったと思うくらいうれしく、心遣いにいつも感謝している。この取り組みを長年続けていることをすばらしく思う」と感謝の言葉を述べた。
藤田さんは「喜んでいただいてうれしかったし、元気をもらえた。将来に役立つ貴重な経験をしたと思う」と話していた。
孫心弁当は福祉教育、社会貢献の一環として1991(平成3)年度から恒例で実施し、今回で35回目。歳末たすけあい募金を活用して同校家庭クラブと市社会福祉協議会が同地区民生児童委員協議会の協力を得て取り組んでいる。
