線路に侵入してきた鹿が列車にぶつかるのを防ぐために鳴らす「忌避音」の実演が1日、大谷の津山まなびの鉄道館で開かれ、親子連れが興味深そうに見学した。
JR西日本岡山支社と池田動物園が初めてコラボレーションした夏休みイベントの一環。来年開催予定している企画で、旅行者が県内の自然や観光スポット、旬の味覚などを満喫できる「岡山デスティネーションキャンペーン」に先駆けたプレキャンペーン(7月1日〜9月30日)に合わせて実施した。
忌避音はオオカミや犬がほえる声と鹿が危険を察知した時に警戒の合図として鳴く声を組み合わせている。池田動物園スタッフが「鹿は天敵の声を聞くと、仲間に知らせるため特殊な声で鳴く。鳴き声を聞いて他の鹿も逃げるといった生態を利用し、音を作っている」と説明した。
実演では、姫新線の佐用〜新見駅で実証実験している車両を隣接する津山駅構内に留め、搭載したスピーカから流した。参加者が手をあげて、列車の運転手に合図を送ると、犬の遠吠えに似せた音と「キュン」といった高音が鳴り響いた。
津山市内の観光を楽しんでいるという竜之口小学校4年・石部真梨さん(9)=岡山市中区=は「嫌な音だったから、効果はあると思う。鹿の衝突による事故が減るといい」と話した。
津山まなびの鉄道館 鹿の「忌避音」実演