岡山県の津山圏域消防組合は、2023年の管内での救急の概況をまとめた。出場件数は8319件で、過去10年の間で最も多かった前年の8102件よりも217件上回った。このうち搬送した人数は7333人(前年比152件増)となっている。
出場の事故種別は、急病が4851件(前年比101件増)で最多。一般負傷1339件(同29件増)、転院搬送1273件(同96件増)、交通事故520件(同23件増)が続く。また火災59件(同16件増)、労働災害86件(同16件増)なども増加している。搬送者の割合は依然として65歳以上の高齢者が約7割を締めている。
また、傷病者が搬送を拒む、またはすでに息を引き取っている「社会死」の状態といった理由で搬送しなかったのが1019件(同50件増)ある。不搬送に関しては、病院が満床により搬送先が決まらず、最終的に家族らが連れていったり、傷病者自身が赴いたりというケースがみられ、悩ませているという。
消防本部警防課は「疾患のある人や高齢者はかかりつけの病院を決め、体調が悪くなるとすぐに診てもらうなど、早めの対処を」と喚起している。
また、新型コロナウイルス感染が昨年5月に季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられ、感染者の搬送人数は23年257人で昨年より36人減っているが、大きな変化は無い。同課は「5類に引き下げられても完全には無くなっていない。手洗いや消毒、うがいなど基本的な感染対策は必要」とし、「防ぐにはやはりマスクの着用が有効」と呼びかけている。