「われわれが一滴の汗を流すことで、助けを求める人たちの涙が減る。長い間組合が培ってきた伝統と理念を大事に誇れる組織にしたい」と志を抱く。
大学を卒業し、地元に貢献できて必要とされる仕事に就こうと1988年に入署し、救急救助係主査、救急第2係長、本部総務課長などを歴任してきた。2001年に救急救命士の資格を取得してからは知識が広がり、搬送者の容態を見抜く洞察力が磨かれたという。医師の指示の下、蘇生につながる特定行為がすぐ施せるようになり、危機的な状況にある命を救ってきた。
仕事に対して常に相手と向き合うことを大切にしてきたという。「苦しんでいる人の気持ちに寄り添い、訴えに耳を傾けることで状態を見極めて最善の処置が施せる。『あの隊員に出会ってよかった』と思ってもらえるようにしてきた。最終的に社会復帰できるまで回復した人の話を聞いた時はうれしかった」と振り返る。
「消火や救助、救急活動を行う現場の状況は常に異なる。訓練や勉強から学び取った知識と技術の中から最善最適な判断を下し、迅速に行動する必要が隊員に求められる。そして現場の安全を考慮して全体を統括していくのが消防長の役割」と気を引き締める。
趣味は音楽と読書。息子3人は独立。津山市東一宮に自宅を構え、妻と娘1人と暮らす。58歳。