「津山圏域消防組合発足50周年記念イベント」が11日、岡山県津山市のベルフォーレ津山で開かれ、同圏域住民ら計約400人が集まり、記念式典や津山消防音楽隊のコンサートなどを観覧しながら祝った。
式典には、職員ら関係者と来賓計約60人の前で、管理者の谷口圭三市長が式辞。「先達より培ってきた技術を受け継ぎつつ、時代の即した新たな技術や知識、対応力を高めて住民たちの命を守る」「今後とも地域に密着した活動を行い、より一層みなさんが安全で安心して暮らせる街を築くために取り組んでいく」と述べた。
続いての表彰では、消防功労者として津山危険物安全協会、消和会、津山圏域女性防火クラブ連絡協議会に感謝状が贈られたほか、第51回「全国消防救助技術大会」で入賞した隊員3人が称えられた。この後、「50年の歩み」と題し、発足から現在までの歴史を振り返る映像が上映された。
コロナ禍を経て4年ぶりとなる音楽隊のコンサートでは、水田啓介消防長が「これから力は入れて啓発していくのは”予防”。火災や、体の状態の悪化などを未然に防ぐことで助かる命がある。演奏を心から楽しみながら、呼びかけた内容を記憶にとどめてほしい」とあいさつ。
団員約30人が迫力のある演奏で火災警報器の設置・点検など啓発した。メロディーと映像にのせて消防・救急車両を紹介する「はたらくくるま」、有名なアニメや映画のテーマ曲、歌手・美空ひばりさんのヒットソングなどが披露され、大人から幼い子どもまで吹奏楽の魅力を堪能しながら防火、防災への意識を高めた。
このほか、第46回「こども消防写生大会」岡山県知事表彰の賞状授与式や、本年度「全国消防長会中国支部消防職員意見発表会」で優秀賞に輝いた消防副士長の発表、岡山地方気象台の足立誠観測予報管理官による講演などもあった。
元津山市消防団事務局職員の早瀬真由美さん(67)=高野山西=は「今までを振り返ると感慨深い。日夜みんなの安全を守ってくれて感謝している。私たちも地域の一員としてできることを協力していきたい」と話していた。
同組合は、1973(昭和48)年に県知事の設立許可を経て発足。岡山県北部の6市町(津山市、鏡野、奈義、勝央、美咲、久米南町)を管轄している。