「津山まちじゅう博物館構想」策定に向けた有識者会議の初会合が1日、津山市役所で開かれた。まち全体を博物館に見立てて市民や観光客の回遊性を高めるマネジメント推進に向け、専門分野の意見を骨格や方向性に反映させる。市は年内に原案をまとめ、年度末に策定する。
会議の委員は、市みらい戦略ディレクターの早田宰早稲田大学社会科学部長、大社充芸術文化観光専門職大学教授ら大学、商工観光団体などの代表ら7人。
谷口圭三市長が「市内に点在する歴史、文化、伝統、芸術をつなぎ合わせて全体を博物館とし、住民自ら学芸員として地域づくりに取り組む構想。きたんのない意見をいただきたい」とあいさつし、委嘱状を交付。早田学部長を会長に選任した。
市担当者が構想の趣旨や人を呼び込む観光施策、市民学芸員の養成など基本方針を述べ、意義については「市民に郷土愛を深めてもらい、世代間交流の促進、魅力アップによる交流人口の増加を目指す」と説明。
各委員からは「萩市でも同様の構想を展開し、文化財保護法で守られていない資源を保存する機運につながっている」「この構想で何を達成したいのか見えない。若い世代の意見を反映させないと押し付けの宝では無理」「資産を棚卸しする考え方はいいが、未来のために生かせるものを見定めていかねば」といった意見が出された。
今後、11月上旬の次回会合では土台となる素案について協議。市は有識者会議のほか、市民懇談会の意見も加味し、構想をまとめる。
津山市役所「津山まちじゅう博物館構想」有識者会議の初会合