第38回津山市民平和祭(実行委主催)が5日、岡山県津山市山北の市役所市民ロビーで開幕。パネル展や映画上映会、広島平和記念資料館へのバスツアーなどを通して平和の尊さを訴える。
「平和のための戦争パネル展」は、同市役所市民ロビーで始まり、原爆の生々しい惨状がうかがえる証言付きの写真をはじめ、被爆者で画家の故・牧野俊介さんの絵画計約70点を展示している。
真っ黒に炭化した子どもの遺体や、遺体を焼く炎の前で立ち尽くす人たちの写真、火傷を負った人たちが泣き叫びながら走る様子を描いた絵など悲痛なパネルが並ぶ。牧野さんの絵は、川に浮かんだおびただしい数の遺体や、電車の中で赤ん坊を抱いたまま亡くなっていた母親など、子どものような柔らかい画風が悲しみを際立たせる。11日まで。新魚町の市立図書館前ホールでは10、11日に行われる。
夏休み親子映画会は10日午後1時半から、大田のリージョンセンターでアニメ「この世界の片隅に」を上映する。広島平和記念資料館を訪れる夏休み親子平和バスツアーは8月24日。高校生と平和を語るラジオ番組は9月17、19、20日午後5時~5時半、エフエムつやまで放送する。
オープニングセレモニーが同日、パネル展を開催中の市役所市民ロビーであり、関係者ら約30人が出席。県美作被爆二世の会会長で、実行委員長の木原賢一さん(69)=林田=は「戦後79年が経った今、戦争を経験した方たちが少なくなり、戦争の悲惨さ・恐ろしさを語ってくれる人たちが少なくなってきている。戦争の記憶を風化させることなく次世代に伝えていくことが私たちの世代の使命だと思っている」と述べた。