新型コロナウイルス感染拡大により4月下旬から休館していた岡山県津山市内の市立図書館4館が26日までに、全て再開した。短時間の利用を促すなど、感染リスクをできる限り減らすための対策を取った。待ちわびた市民が続々と訪れ、早速、関心がある本を借りて帰っていた。
「予防策が徹底されていれば安心。今日は3冊ほどにしようと思います」。津山市新魚町の市立図書館に再開初日の25日に来た松井みどりさん(70)は、いつもは1冊しか選ばないが、この日は久々なのもあって多めに借りた。
開館の午前10時から昼にかけ、高齢者や親子連れ、高校生らの姿が見られた。
同館では、30分程度の滞在に抑えるよう来館者に呼び掛けている。出入口に消毒液を設置するほか、カウンターなどに飛まつ防止のシートを取り付け、職員との接触を避けるため、借り出し処理を行うカードリーダーを置いた。床に間隔を空けて並ぶのを促す標示も施した。いすやテーブルを減らし、視聴覚コーナーは休止した。
津山中央病院内にある医療情報プラザに相談し、これらの対策を練ったという。夏場に向けては、冷房を付けながらもこまめな換気を続けることを考えている。
身近な知の拠点といわれる図書館。コロナ禍の影響を含まない2018年度については、全館で計63万8497冊(市立図書館は44万7806冊)を貸し出した。
講座や講演などの会場としても利用されてきたが、6月末までは企画しないという。市内の小中学生を対象にした「調べる学習コンクール」(市教委主催)の20日の説明会に関しては、個別(1組30分)に対応する。
大河原信子館長は「休館中は、本棚から選んで借りたいという声が強く、再開を喜んだ利用者は多い。元の状態に戻るには時間がかかると思うので、引き続き協力をお願いしたい」としている。
市内では26日までに、各公民館や児童館なども開館した。6月1日から津山城(鶴山公園)や衆楽園などの観光・文化施設、2日から屋外、屋内スポーツ施設が一部解除される見込み。
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感染防止策を取って再開した市立図書館=25日
津山市立図書館4館、運営を再開/岡山・津山市
- 2020年5月27日
- 行政・公共