任期満了に伴う津山市長選は、30日の告示(2月6日投開票)まで1週間ほどに迫った。これまでに、再選を目指す現職の谷口圭三氏(58)=志戸部=、ともに新人で元大学客員教授の竹内幹雄氏(75)=加茂町下津川=、市議の近藤吉一郎氏(56)=山方=が、いずれも無所属で立候補を表明しており、現職に新人2人が挑む構図になりそうだ。各陣営・氏とも選挙戦本番へ臨戦態勢を整えている。
選挙戦では、市人口が10万人を割った中での人口減対策、新型コロナウイルス対策、中心市街地の活性化、厳しい財政状況下での行革推進などに、各氏がどう臨むかが注目されそうだ。
昨年の9月定例市議会で表明した谷口氏は▽津山駅バリアフリー化の着工▽津山産業・流通センターと久米産業団地の立地率9割超えと雇用創出▽不妊不育治療など支援拡充▽財政構造改革プランの策定―など1期4年の実績を強調。「津山新八策」を掲げ、「拠点都市の再興を目指す取り組みを継続・発展させ、全ての住民が誇りと愛着を持って便利で快適な暮らしができる津山を創造していきたい」と続投への意欲を示す。
11月に表明した竹内氏は、まちづくりに関わってきた経験を生かし「津山市は限界集落や過疎地域の増加で消滅が予想される。全てのまちづくりに市民が参加し、人口増、所得増、学力向上を目指して新しい津山を創造する」と訴える。▽結婚・出産・子育てしやすい広域的環境づくり▽若者定住に高レベル教育と超高速情報網の構築―などに取り組むとしている。
市議6期の近藤氏は今月6日に表明。「今の市政は不明瞭・不透明な事業施策が多い上、市民の声が生かされていない。市民が身近に感じられる市政を取り戻し、まっすぐな津山を作りたい」と主張。▽コロナ禍にある子育て世帯や在宅介護世帯への支援として5万円の支給▽女性や若者、市民の声と知恵を生かした市政の実現―などを公約に掲げる。市議を事前に辞職せず、立候補に伴い自動失職する見通し。
谷口氏には自民党県連、公明党県本部、日本維新の会の県支部・岡山維新の会が推薦。市内企業や各種団体などからも幅広い推薦を受け、地盤固めを進めている。陣営幹部は「組織一丸となり、一人でも多く支援の輪を広げる」と力を込める。
竹内氏は「市民ときたんのない意見の相互応答をするには、誰ともわだかまりのない白紙の状態が条件」として、後援会などは立ち上げず一人で選挙を戦う構え。
近藤氏の陣営幹部は「田邑地区での太陽光発電事業をめぐる疑惑の問題など、市政の現状を市民に知ってもらわなければならない。現市政に疑問を持つ人たちが集まった■市民党■として戦う」と語気を強める。
新型コロナウイルスの感染拡大の中、選挙での活動は制約される。ある陣営関係者は「選挙での手段は確実に狭まる」と話し、各陣営ともコロナ対策に気を配りながらの戦いに苦慮しそうだ。
現新2氏が争った前回の投票率は55・81%(前々回56・79%)で、2005年の合併後最低を更新した。市内の男性会社員(40代)は「コロナの影響で市民の生活や経済が疲弊する中、地域をしっかりと浮上・再生させるビジョンを打ち出し、政策で勝負してほしい」と求める。
期日前投票は31日〜5日、市役所東庁舎、加茂支所、阿波出張所、勝北保健福祉センター、久米支所で午前8時半〜午後8時。アルネ津山4階・地域交流センターで午前10時半〜午後6時半。
投票は6日午前7時〜午後6時。午後8時15日から津山総合体育館で即日開票される。
12月1日現在の有権者数は8万2691人(男3万9258人、女4万3433人)。
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1谷口圭三氏
2竹内幹雄氏
3近藤吉一郎氏
4市長となってこの席で市政のかじとりを担うのは…