津山市出身の版画家・故日下賢二さん(1936〜2020)の特別企画展がギャラリー&カフェ「Nishi Ima 25」で開かれ、モダニズムや空想の世界を感じさせる独創的な木版画に来場者が見入っている。8月28日まで。
日下さんは、1965年の東京国際版画ビエンナーレ展で国立近代美術館賞を受けるなどし、同館や大英博物館品も秀作を所蔵。他界後初の企画として画業を振り返り、遺族や津山郷土博物館から借り受けた多色刷り45点を展示した。
中学時代の「町並み」や青年期の「智頭の風景」は渋い配色。画風を確立した中年期以降では、コバルトブルーにかすむ雲上の情景が幻想的な「自由の彼方へ」、ポップアートを思わせる「地平線のりんご」、鮮烈な色の円弧が連なる「赤光」など、今なお斬新さを放つ異色作が並ぶ。
「木版画とは思えない鮮やかでデザイン的な色使い、現代アートに通じるような感覚に魅了された」と神戸市の主婦(55)。
オーナーの櫻井由子さんは「長い画業の変遷、モダニズムとポジティブなエネルギーを感じさせる日下さんの版画をぜひ鑑賞、体感してほしい」と呼びかけている。
午前11時〜午後5時。定休日は月、火、水曜日。
問い合わせは、Nishi Ima 25(☎080―5907―1663)。
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故日下さんの木版画に見入る来場者
津山市 故日下さん 特別企画展ギャラリー&カフェ「Nishi Ima 25」