沼の津山弥生の里文化財センターで、企画展「柳谷古墳と石敷きの石室」が開かれている。瓜生原の同古墳を中心に石室の床に注目した内容で、県重要文化財の貴重な出土遺物も並び、来館者の興味を引いている。4月16日まで。
石敷きの床を「礫床(れきしょう)」といい、市内に数多く存在する古墳の中でも礫床の石室を持つのは発掘調査されたもので8古墳。6世紀の加茂川と吉井川の合流点付近にまとまって造られており、市内では時期と地域が限られる珍しい石室の構造という。
出土遺物約100点と解説パネル13枚を展示した。1987年に津山中核工業団地の造成に伴い発掘調査が行われた柳谷古墳は、石室の床面にこぶし大の角礫がほぼ一面に敷き詰められ、須恵器など約30点が出土。遺物は県重文に指定されており、中でも大刀の装具である把頭(つかがしら)と鞘尾(さやじり)金具は、銀線をはめ込んで作った「銀象嵌(ぎんぞうがん)文様」が施され、必見だ。
このほか、ウズラの卵大の小礫が敷かれたと推定される茶山1号墳(瓜生原)、親指大の玉砂利が敷かれた近長丸山1号墳(近長)、木棺全体を親指大から掌(てのひら)大の礫で包み込む構造の河辺上原1号墳(河辺)などの特徴を紹介。見つかった鉄刀や馬具、土器といった遺物を並べている。
同センターでは「古墳には出土遺物以外にもたくさんの見どころがあり、その一つが石室の床。遺物やパネルを見て、それぞれの違いや特徴を知ってもらいたい」と話している。入館無料、午前9時〜午後5時。土、日曜、祝日は休館。
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貴重な出土遺物などが並ぶ津山弥生の里文化財センターの企画展