企画展「シーボルトと岡山の洋学者たち」が西新町の津山洋学資料館で開かれ、日本の洋学の発展に貢献したドイツ人医師の功績と交流のあった洋学者にまつわる資料が来館者の興味を引いている11月8日まで。
同館の新館開館10周年を記念して企画。シーボルト(1796〜1866)は1823(文政6)年に長崎の出島にオランダ商館医として来日。長崎郊外に鳴滝塾を開き、門下生に西洋医学、博物学を伝えた。また、日本地図などの禁制品を持ちだそうとした「シーボルト事件」を引き起こしたことでも有名。
会場にはシーボルトが着用していた礼服や当時使用していた薬箱「薬籠(やくろう)」などの所持品、日本の文化や動植物を研究した著述本など約50点を展示している。
阿蘭陀(おらんだ)通詞が榕菴の養父・宇田川玄真にシーボルトとの交流を勧める手紙を送ったことが記載された「書留帳」をはじめ、津山藩医の宇田川榕菴や箕作阮甫との交流を知る貴重な記録資料、鳴滝塾の門下生で岡山県出身の石井宗謙、児玉順蔵、岩坂桑亀らとの関わりがわかる書簡や書籍も並ぶ。
安東勢輔さん(67)=美作市真加部=は「幕末時代に興味があり、シーボルトについて知りたいことがあって来た。丁寧な解説や要約された文章を読んで良く分かった」と話した。
開館時間は午前9時から午後5時まで(入館は午後4時半まで)毎週月曜日、祝日の翌日が休館日。入館料は一般は300円。65歳以上、高校生、大学生は200円。小・中学生が無料。
p
貴重な資料に見入る来館者
津山洋学資料館新館開館10周年企画展「シーボルトと岡山の洋学者たち」
- 2020年10月24日
- 歴史・文化