「津山洋学の名品展」が西新町の津山洋学資料館で開かれ、蘭学・洋学にまつわる江戸時代後期から明治期を中心にした資料が来場者の興味を引いている。9月25日まで。
常設してない所蔵品の中から、7つの小テーマに沿って35点を展示。
津山藩医・宇田川榕菴が「張込帖(スクラップブック)」の「大砲図」には西洋式のモルチール砲が濃淡をつけて立体的に筆写され、津山藩が描かせた「異国船渡来之図」はペリー提督が乗っていた蒸気船「ポーハタン号」の特徴や艦隊の様子をとらえている。
浮世絵版画では、出島でのオランダ人の会食風景を題材にした「長崎絵」、傘をさすフランス人女性らを描いた幕末の「横浜絵」、明治期の「開化絵」で東大の前身の「東京第一大学区開成学校開業式之図」など。疱瘡(ほうそう)神を退治した源氏の武将として明治期に描かれた「疱瘡絵厄除鎮西八郎為朝大神像」、近年の品ではオランダ総領事館が寄贈した同国の伝統的な絵模様「ヒンデローペン」をあしらった装飾缶も目を引く。
同館では「どのテーマを切り取っても興味を持っていただける内容を選んでおり、それぞれの資料の時代背景にも思いをはせながらお気に入りの品を見つけてほしい」とPR。
午前9時〜午後5時。月曜日休館。入館料一般300円、高校・大学生200円、小中学生無料。
問い合わせは、同館(●233324)。
津山洋学 名品展
- 2022年3月23日
- 歴史・文化