志戸部出身の版画家・永礼孝二(1901〜75)と日下賢二(1936〜2020)の作品を紹介するスポット展が山下の津山郷土博物館で開かれ、味わい深い多色刷りの木版画に来館者が見入っている。2月13日まで。
師弟関係にあった二人は共に国内、欧州の美術展でも高い評価を受けており、今回は収蔵品の中から原画や版木を含め11点を展示。
永礼さんの「雪景(海)」「佐良山風景」「小諸城跡」などは、柔らかな彫り味と色合いが素朴な雰囲気を醸す。日下さんの初期の作「津山風景」は同系色を重ねた画風が永礼さんの影響をにじませる一方、「飛翔85―3」「作品23」は抽象化したデザイン的な色面に独自性が際立つ。
林田の船曳眞弓さん(67)は「永礼さんの作は肉筆画のような柔らかさ、ほのぼのと郷愁を感じる魅力があり、師事した日下さんの画風の変化も興味深い」と話した。
小郷利幸館長は「館蔵品ギャラリーの初企画で、精力的に制作を続けた同郷の師弟版画家の足跡をこの機見てほしい」としている。
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味わい深い多色刷り版画に見入る来館者
津山郷土博物館企画展永礼、日下展示会
- 2022年1月22日
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