岡山県内で唯一、温室桃を手掛ける同県勝央町石生の農業・石川裕之さん(46)のハウスで27日、極わせ品種「はなよめ」の収穫が始まった。薄紅色を帯びたみずみずしい果実は、初夏の味覚として県南の百貨店にお目見えする。
たわわに実る中、大きさや色づき具合を見ながら、200グラム前後の実を一つひとつ丁寧にもぎ取っていく。今年は極端な冷え込みで発育が心配されたが、例年通り玉太り、甘みも良好という。初出荷の約100個はJAの勝英選果場で箱詰めされ、岡山市内の卸売市場に運ばれる。
後継者として就農して5年になる石川さんは「毎年心待ちにしてくれている人もいて、励みになる。さわやかな甘さと上品な香りを堪能してほしい」と話す。
はなよめのほか、「白鳳」「さくひめ」など計5品種を6月上旬までハウスで収穫し、総収量は例年並みの1・5㌶を見込んでいる。