岡山県美作市中山の同市運動公園小縄手池で21日、「岡山美作湯郷円仁慈覚大師記念植樹会」が開かれた。参加者たちは日本仏教の基礎を築き、湯郷温泉を発見するといったさまざまな伝承が残る偉人に思いをはせながら苗木を植えた。
「円仁グリーンロード」の会(東京都)が主催し、関係者ら約50人が参加。同会は9世紀に遣唐使として唐に渡った高僧・円仁(慈覚大師)の偉業を広く知ってもらおうと中国、日本、アメリカにあるゆかりの地を訪れ、現地の人たちと交流を深めながら植樹活動を行っている。運動公園は3カ国内で56カ所目となる。
式典が園内にある円仁を刻んだ石彫の横で行われ、アメリカ、中国、日本人のメンバーらがクロガネモチの根を丁寧に地中に埋め、手を合わせて祈った。また、式に先立ち、地域の温泉にまつわる話が書かれた看板「円仁湯郷由来紀」(縦100センチ、横60センチ)が湯郷観光協会・同温泉旅館協同組合によってお披露目された。
円仁グリーンロード・阿南史代代表は「すてきな場所で実施できたことを喜ばしく思う。偉人の歴史を後世に伝えてほしい」。湯郷温泉旅館協同組合の内海寿志事務局長は「奥湯郷と言われるこの地区にも一つのスポットができた。温泉を楽しむ観光客が訪れるようにしていきたい」と話した。