美作市の湯郷温泉街で、芸術家が滞在制作する「アーティストレジデンス」の取り組みが13日から始まる。観光協会と旅館協同組合が造形作家・徳持耕一郎さん(64)=鳥取市=を招へいし、コロナ禍の低迷が続く中で来春、鉄筋アートによる温泉街の活性化を目指す。
徳持さんは、ジャズ演奏者らをモチーフにした軽やかな曲線美の鉄筋彫刻で知られ、これまで県主催のイベント「美作三湯 芸術温度」などにも出展。今回の計画では、来年2月にかけてほぼ隔週で訪れ、市営駐車場(湯郷)の車庫をアトリエに等身大の8体を公開制作する。
完成した作品は3月から温泉街の各所に設置してPRし、観光客らの回遊を促進。上旬に完成記念セレモニー、ジャズコンサートの開催も予定している。さらにドローンなどで撮影した映像で湯郷の魅力を広く発信。
先月30日には観光案内所で事業説明会があり、徳持さんが既存の鉄筋彫刻を持参して関係者に作風を紹介するとともに、設置場所による見え方などについて説明し、意見を交わした。
徳持さんは「制作している現場を地元の皆さんに気軽に見に来てほしい。温泉街の活性化に生かしてもらえる作品群にしたい」と意欲を燃やす。
内海寿志観光協会事務局長は「コロナ禍の先行きは不透明だが、来春には落ち着いていることを願いつつ準備を進める。観光客らに楽しんでもらえるよう、インスタ映えする場所を選んでいく」としている。
滞在日や制作時間の問い合わせは、同観光案内所(℡0868-72-0374)。
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滞在制作に向け、自身の鉄筋彫刻を紹介する徳持さん(右)
湯郷温泉街で「アーティストレジデンス」