岡山県津山市の石山寺で19日、キュウリに病や厄難を封じ込める霊験秘法「諸病きゅうり封じ厳修」が開かれ、檀家や参拝者が無病息災や病気平癒などを祈願した。
同寺開山以来約400年続く、土用の丑(うし)の日の伝統行事。護符と呼ばれる札が埋め込まれ、一人ひとりの名前や願い事が書かれた紙を包んだキュウリ約350本が本尊前に供えられ、故加藤圓祥住職の代理・羽馬康俊僧侶(52)=鳥取県琴浦町=らが読経し、一本一本を手にとって印を結ぶなどして祈祷(きとう)していった。
檀徒ら参拝者はその様子を静かに見守り、手を合わせて家族の健康や厄払いなどを祈っていた。実家が檀家という縁で総代長を務めている小林豊作さん(76)=真庭市神庭=は「朝早い清々しい空気の中に包まれ新鮮な感じがした。年をとるにつれて膝や腰に痛みが出て来た。長く元気にいられるようにお願いした」と話していた。
キュウリは翌早朝に境内の丑寅(うしとら)の方角(東北)に埋められた。
