特殊詐欺を未然に防いだとして、岡山県津山署と同署管内金融機関防犯協力会はこのほど、同県津山市の津山信用金庫二宮支店(藪脇寛支店長)と職員の延安由貴さん(34)に感謝状を贈り、功績をたたえた。
同支店によると、以前、市内に住む60代女性がイラク在住の医者と名乗る人物にお金を振り込んだ際に、振込先の金融機関から「悪用している疑いのある口座。依頼人に確認を」と返金され、特殊詐欺を警戒していたという。後日同じ女性が来店して再度お金を送ろうとしたので、延安さんが事情を聞くと、「SNSで知り合い、面識はない」「帰国に70万円が必要」などと答えたため、不審に思い、通報した。
同署で行われた贈呈式で、入江一男署長が「責任感と警戒意識を持って業務に精励しているたまもので他の模範」と述べ、感謝状を手渡した。延安さんらは「日ごろから細やかな注意を払って勤務していた。お客様の財産を守れてよかった」と話していた。
同署によると、今年上半期(1〜6月)に発生した管内の特殊詐欺被害の認知件数は5件で昨年同期に比べ2件減っているものの、被害額は約2030万円(昨年同期約790万)と大幅に増えている。生活安全課は「還付金と架空請求の被害が多い。電話を受けた際、まずは警察や信頼できる家族、知人に相談を。また、着信した電話番号がわかるように電話機を設定して、犯人との直接のやり取りを避けるようにしてほしい」と注意をうながしている。