岡山県赤磐市の彫刻家・榎本勝彦さん(71)の個展「視点と視線」が、同県津山市のポート・アート&デザイン津山で始まった。さまざまな形に作られた木製のオブジェが、独特の世界感を作り出し、来館者たちを魅了している。26日まで。
活動歴約50年の間に培ってきた経験を基に生み出した近作19点を展示。「会場の空間を意識して作品を制作し、配置を考える」という榎本さん。白壁のホワイトギャラリーでは白色に塗られた作品「支」(高さ約125センチ)が背景に溶け込むかのように建つ一方で、赤レンガ造のギャラリーでは、高さ180センチの「空(くう)または空(そら)」など、アクリル絵の具や漆、銀箔(ぎんぱく)などが施された意欲作が並ぶ。
岡山市から訪れた高本憲男さん(58)は「決まりやルールに縛られない自由さを感じる。シンプルな形状だが、表面の質感や色あい、全体の構造などどれを見ても趣深い」と話していた。
榎本さんは「360度、どの角度から見ても楽しめるのが立体作品。自由に眺めて自由に感じとってほしい」とPRしている。