楽器や歌、大道芸などを組み合わせた舞台「現代散楽 GENDAI SANGAKU」(津山朝日新聞社主催、津山市、津山文化振興財団後援)が10日、山下の津山文化センターで開かれた。津山市油木上出身の和太鼓奏者・坂本雅幸さんらが出演し、観客がバラエティーあふれる芸能を堪能した。
「散楽」は、シルクロードを通って日本に奈良時代に伝来した複合芸能で、752年の東大寺の大仏開眼供養会で奉納された記録がある。平安時代に朝廷の庇護から外され途絶えたという散楽の絵図を元に、現代風にアレンジして再現した。
坂本さんのほか、横笛やサックスの太田豊さん、ボーカルの里アンナさん、雅楽の笙(しょう)やバイオリンの豊剛秋さん、弦楽器ドゥタールやサズの大平清さん、ジャグリングの森田智博さん、語りの林恒宏さんの計7人が登場。音楽を中心に組み合わせた10演目を被露した。
坂本さんがフラメンコを元に作曲した「霹靂一閃(へきれきいっせん)」は、大太鼓に雅楽を加えて演奏。坂本さんは、曲が終わるまで力強く打ち鳴らし続け、高速でたたく部分では客席から拍手が沸き起こった。高温で澄んだ歌声、軽快でアクロバチックなジャグリング、臨場感あふれる読み語り、エキゾチックな弦の音色が合わさった他の曲も観客を盛り上げていた。
4月以来の凱旋(がいせん)となった坂本さんはステージで、「コロナ禍の中で見に来てくださってとてもうれしい。津山の皆さんに素晴らしい散楽を見てほしかった」と開催の喜びを語った。
新型コロナウイルス感染防止のため客席を減らし、272人が来場。親族3人で来た松下初清さん(82)=美咲町江与味=は「どの演目も楽しかった。さまざまな芸能を味わうことができ、これまでにない舞台だった」と話した。
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バラエティーあふれる芸能が被露された「現代散楽」の舞台
現代散楽
- 2021年10月12日
- 芸術