使用済みペットボトルを新しいペットボトルに再資源化するリサイクル工場が、岡山県津山市の久米産業団地に完成し、14日、しゅん工式が開かれた。持続可能な循環型の経済と脱炭素社会の実現を目指す。
フランスの総合環境会社・ヴェオリア、三井物産、セブン&アイホールディングスの3社が設立した合弁会社「サーキュラーペット」(喜田知克代表取締役)が建設。同社によると、ペットボトルをペットボトルに再生する「水平リサイクル」の取り組みでは県内初の工場といい、西日本の製造拠点とする。
5万平方メートルの用地に最新設備を備えた工場棟などを整備し、回収した使用済みペットボトルから新しいペットボトルの原料となるペット樹脂(ペレット)を生産。年間約2万5000トンにのぼる大規模な製造能力を持ち、大手飲料系メーカーなどに供給する。
これまで、キャップやラベルがついたままや飲み残しのあるボトルはリサイクルが難しいとされてきたが、この工場ではそうした低グレード素材でも再生が可能。また、資源を繰り返し利用できる水平リサイクルは、石油由来原料からの製造に比べ、二酸化炭素排出量をおよそ60%削減できるメリットがある。
この日、関係者約120人が出席して式典が開かれ、テープカットなどで完成を祝った。今は試運転中で、今春中の稼動開始を予定している。
同社は「国内での『ボトルtoボトル』(再生ペットボトル)の普及とともに、地域と連携しながら環境負荷の低減、脱炭素化を推進したい」としている。