岡山県津山市立全27小学校は新年度から、担任を複数の教員で受け持つ「学年担任制」を導入する。従来のように担任を1人の教員が受け持つのではなく、複数(チーム)できめ細やかな指導に取り組む。同市教委が8日、発表した。県内で全校導入する自治体は津山市が初めて。
具体的な方法は1学年1学級の場合は原則2学年を2人の教員が担当。1学年2学級以上の場合は学年団の教員全員が担任する。朝夕の会や給食・清掃指導をローテーションし、教科担任制を取り入れる。市教委は「複数の教員が、子どもたちに多角的多面的に関わることで、一人ひとりの特性などをよりきめ細やかに把握し、指導することで、より一層の教育の充実を図る」としている。
児童一人ひとりの特性や発達の多様化・複雑化、社会や保護者のニーズや価値観、考え方の多様化などが背景にあり、不登校の理由の一つになっている担任と児童とのミスマッチなどの解消を図る。また近年、若手教員が急増しており(20〜30歳代が小学校で約7割)、経験不足を補うとともに教員の負担を軽減し、働き方改革にもつなげる。
有本明彦教育長は会見で「保護者も、教員にも安心感と信頼感が育まれ、学校教育の充実が図られるものと期待している」と述べた。