県町並み保存地区の指定から40年の節目を迎えた勝山町並み保存地区=岡山県真庭市勝山=の歩みをたどる企画展が、同所の勝山郷土博物館で開かれ、町の歴史を伝える品々が来館者の興味を引いている。
勝山町並み保存地区は、出雲街道の宿場町、城下町として栄え、1985年12月16日に同保存地区第1号に指定。地域住民らに郷土の歴史を改めて知ってもらおうと市が企画した。
同博物館入口正面に所蔵品を中心に写真やポスターなど約30点を展示。「のれんの街」と称される勝山で最初に使用されたのれんをはじめ、同所でロケが敢行された人気映画シリーズ「男はつらいよ」の寅次郎紅の花(96年公開)の県内限定ポスター、99年から現在まで続く「勝山お雛祭り」にまつわる品などが並ぶ。町並みの整備前に旭川対岸から撮影された写真(85年撮影)は、白壁や格子窓の商家、なまこ壁の土蔵、高瀬舟の発着場跡をとらえ、古き良き城下町のたたずまいを伝えている。
現在は地域住民から国の「重要伝統的建造物群保存地区」選定を目指す動きがあるといい、勝山振興局の山本茂樹地域振興課長は「ささやかながら古里を離れた人も町を訪れるきっかけになれば」と話している。
企画展は随時展示品を増やしながら3月末まで予定。
