児童養護施設や高齢者福祉施設などを運営する社会福祉法人「菜花の里」(林田)が、作業結果の確認できない業務委託費など、少なくとも約2400万円の不適切な支出をしていたことが7日までに分かった。所管する県は、社会福祉法に基づく特別監査を行い、法人に対して実態の解明と是正をするよう指導している。
同法人関係者によると、2018年度、給食業務委託先の「コローネ」(同所)と、草刈り作業などを委託していた「コローネファーム」(同)の2社に対し、作業を実施したか確認がとれない業務委託費など約977万円を支出した。2社の代表は、法人の男性理事長(60代、当時は常務理事)が務めている。また法人は、理事長一族から長期運転資金として約3800万円を借り入れており、その返済名目でコローネに対して約1442万円を支払っていた。
県は昨年冬から今年にかけて複数回の特別監査を実施。法人に対して2社に計2400万円余りの返還を求めるよう指導。さらに調査を進めている。
このほか法人は、運営施設の従業員らに賃金未払いを生じさせていたとみられる。
同法人は「指摘を受けた案件について確認を進めており、近々に理事会を開くなどし、解明に向けて努力する」としている。
社会福祉法人「菜花の里」(林田)が約2400万円の不適切な支出
- 2020年12月8日
- 経済・産業