独自に原子力発電所問題に関する取材を続けるジャーナリスト・青木美希さんの写真展「福島の14年、写真&上映巡回展」が26日、岡山県津山市新魚町の市立図書館前広場で始まり、福島第一原発事故と被災した地域の様子を捉えた約30点に来場者たちが高い関心を寄せている。6日まで。
放射能漏れの事故から14年が経った現在も、周辺の市町村の一部の地域では、「帰還困難区域」として立ち入り制限されており、帰宅できずに避難生活を送る人たちがいる。
会場には青木さんが取材で撮影したものや被災者らから提供を受けた写真を展示。人が住まなくなり荒れていく家、放射線防護服を着て自宅を見て回る人、避難させることができず取り残されて餓死した牛たちの骨が残る牛舎などを撮った写真が並び、現地の惨状と人々の苦悩を見て取れる。このほか、にぎわう被災前の街や事故からしばらくした原発の様子を収めたのもある。
帰郷中の福島圭子さん(58)=埼玉県=は「事故によって現在も苦しむ人がいる事実をしっかりと受け止め、風化をさせていかないようにしないといけないと思った。将来は原発に頼らない世の中になるように変わっていってほしい」と話していた。
同展はふくしまっ子津山でのびのび元気回復夏休み親子保養プロジェクト実行委が主催。会場にはひまわり油の原料となるヒマワリの花を育てる企画の協力者を募り、同花の種を配布している。
