秋彼岸に向け、墓や仏壇に供えるシキミの出荷が県内有数の産地の岡山県津山市加茂地域で最盛期を迎えている。独特の香りが漂う中、生産者が作業に励んでいる。
加茂町宇野の藤田日出美さん(85)は約5アールで栽培。朝の涼しいうちに、茂った枝葉をはさみで切り取って自宅の作業場へ。規格に合わせて長さをそろえ、束にし、水を張った容器に入れて水を吸わせる。猛暑で生育が遅れたものの品質は上々で、緑鮮やかな葉は、みずみずしさとつやがある。
「暑さで作業は大変だが、この仕事のおかげで元気でやっていけている。仏様に供えるものなので、心を込めて作業したい」と藤田さん。加茂シキミ生産組合(14戸)では、秋の彼岸用として約8500本を出荷し、JAを通してナンバホームセンターに並ぶ。