県古代吉備文化財センターが発掘調査を進める岡山県久米郡美咲町の滝谷川遺跡で、 弥生時代後期の竪穴住居が2軒見つかり、集落の存在が明らかになった。
調査は美作岡山道路の整備に伴うもので6月から行っている。 調査区はもともと谷と丘だった場所で、 谷は弥生時代以前に土石流で埋まったと推定。2軒の住居は埋まった谷の上面で見つかり、住居内からは弥生時代後期 (1800〜1900年前)のものと考えられる土器が複数出土した。
住居のうち1軒は直径約5メートルの楕円に近い形で、4カ所の柱穴のほか、中央では炉とみられる焼けた跡を検出。もう1軒は直径7メートルの楕円形で、炭などが多く出土していることから、火災などで焼けた可能性がある。
また、住居の近くでは用途不明の土坑が3カ所見つかった。
調査を担当する石田爲成総括副参事は 「これまで遺跡の内容については、よく分かっていなかったが、今回の調査で弥生時代後期に集落が営まれていたことが明らかになった。調査はまだ続くので、集落の広がりや存続時期など詳細についてもしっかりと確かめていきたい」と話している。
