約800年の伝統を誇る、岡山県真庭市蒜山地方の春の風物詩・山焼きが始まった。中国地方では2番目の規模。枯れ色の山肌をオレンジ色の炎が走り、大地を黒色に一変させる壮大な光景が広がっている。
草花の芽生えを促すとともに、サクラソウの群生や希少な昆虫・フサヒゲルリカミキリなど貴重な動植物の生育・生息地の保全にも一役買っている。高齢化で山焼きの継続が困難になるなか、ボランティアが活動を行っている。
同市蒜山上徳山地内で行われた5日の山焼きは、自然環境や地域の文化伝統を守ろうと、同市や専門家、地域住民らでつくる蒜山自然再生協議会の呼びかけで約70人が参加。新旧万全の延焼防止策を講じて実施した。遠くに残雪の大山を望む中、上部10㍍から焼き、続いて下部から枯れ草に火を放つと、炎はバチバチと音を立てて燃え広がり、山肌や大地は一面が黒く染まっていった。

この日は約60ヘクタールを焼き、ボランティアたちは水の入った消火用器具を背負い、飛び火がないかなどを見守った。3年目の参加だという蒜山上長田の会社員・大森美都子さん(43)は「昔は集落の仕事だった。この風景を守りたいと思い参加しました。炎が燃え上がっているのを見ると、心が動きますね」と話していた。
日置佳之会長(67)は「3、4月にかけ山火事が多発したので、例年より気を引き締めて取り組んだ。希少な生物や蒜山の風景を守りたい」と述べた。
また山焼き終了後、グリーナブルヒルゼン(蒜山上福田)から同協議会に、フサヒゲルリカミキリなど蒜山をイメージしたイラスト入りのミニ財布の売り上げの1部2万1000円の寄贈があった。
