緊急事態延長

行政・公共 緊急事態延長
緊急事態延長
         

 新型コロナウイルス感染拡大に伴って県内に発令された緊急事態宣言は、あす6月1日から20日までに期間が延長される。休業や時短の要請が見直されなかった飲食店は我慢の日々が続く。県が支給する協力金への不安の声も漏れる。
 「常連さんから早く飲みに行きたいと言われているが、開店しようにもできないのでストレスが溜まる。日々収入がない」。田町のスナック「こころ」の店主・中元里美さん(55)がこぼした。
 店にはカラオケ設備もあり、県内に緊急事態宣言が発令された5月16日から休業。20日間追加されるとなると、1カ月以上閉めることになる。
 県は、要請に応じた中小の店を対象に1日あたり4〜10万円の協力金を支給。6月中旬から申請の受け付けを順次開始する予定だが、中元さんは「具体的にいつどのような形でもらえるのかはっきり分かっていないのが不安」と語った。
 「協力金では経費を全く補えない」とするのは、林田の洋食店「むぎわらぼうし」の店主・年岡祐貴さん(42)。家族連れも多く訪れる人気店だが、発令以降は営業時間を3時間短縮し、収益は例年と比べて2割落ちた。
 クラフトビールを取りそろえているが、酒類が提供できないため、特に午後5時以降の来店が激減。仕入れを止め、早めに注文していた夏季限定商品もそのまま残っている。「感染を防止する上で飲食店ばかり注目されるのはおかしい。しわ寄せが及ぶ取引業者も本当に大変な状況に陥っている」と嘆く。
 2人に共通しているのは、「緊急事態宣言の発令そのものが遅すぎる」との考えだ。地域経済への影響も考慮して感染を抑え込むのであれば、大幅に増える前に宣言を出すべきだったと訴える。
 一方で客側の市民も、飲みに出かけられず、会食もままならない現状にストレスを溜めている。
 かつて消防団仲間や近所の知人とよく居酒屋に行っていたという市内の60代男性は「皆それぞれいきつけの店があり、苦境に立たされている状況を自分のことのように感じるが、救おうにも何もできないのがもどかしい」と話した。

緊急事態宣言の延長が決まり、再び提供できなくなったビールサーバーの蛇口を外す「むぎわらぼうし」の店主=29日午後


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