美作大学・同短期大学部の沖縄県人会の学生たちが、太平洋戦争末期の沖縄戦をテーマにした創作劇「時をこえ」を26日午後3時から、同大体育館(北園町)で上演する。沖縄県の本土復帰50周年と劇の上演10周年が重なった記念公演。沖縄の思いをつなぎ、命や平和の尊さを伝えようとメンバーは練習に熱を入れている。
同大・短大には沖縄県出身者が多く、現在約100人が在籍。劇は沖縄戦で組織的な戦闘が終結したとされる沖縄慰霊の日を知ってもらおうと2013年に始まり、脚本作りから演出まですべてを学生が手がけている。
今年は同会の1、2年生約40人が出演し、始業前や放課後などに毎日練習に励んでいる。ストーリーは、8歳の女の子の母親が戦争体験者である祖母から聞いた話を基に回想。平和な日常が暗転し、壕の中で飢えに苦しむ村人、住民を殺そうとする日本兵、恐怖に耐えながら看病に励むひめゆり学徒隊などのシーンを迫真の演技で表現する。平和への願いを込めて伝統芸能「エイサー」も披露する。
実行委員長で名護市出身の上間羽南さん(20)=食物学科2年=は祖父が戦争体験者で「沖縄ではたくさんの人が犠牲になったが、ウクライナ侵攻が起こり、過去の経験が生かされていないと感じる」。劇本番に向けて「先輩たちから受け継いだ思いを途絶えさせないよう、明日を大切にし、未来につながるような内容に仕上げ、平和の大切さと命の尊さをみなさんに伝えたい」と話している。
当日は午後2時開場。入場無料。問い合わせは、同大(■227718)。
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平和への願いを込め、練習に励む学生たち