岡山県美作市内に伝わる昔話や伝説などを集録した『美作市の民話』を同市教委が出版した。日本民話の会の立石憲利会長(津山市出身、総社市)と愛好者グループらによる調査編集実行委員会がまとめ、郷土色豊かな740話を掲載している。
地域文化の伝承を狙いに、立石会長指導のもと「みまさか民話の会ほっこり(有元康子代表)」と「おおはら語りの会こっぷり(西田尚美代表)」の会員らが市内各地域で聞き取りを重ね、古い書籍に残された話とともに編集。
A5判546ページ。「昔話」「伝説」、いにしえ人の暮らしぶりを題材にした「村話」の3章に分け、「三穂太郎の投げた石」「蛇の枕」「梶並の大竹」「湯止の観音」「魔が瀬のごんご」といった多彩な話を採録している。このほか「各地の亥の子行事」として、稲の収穫後に大地を鎮めて五穀豊穣、子孫繁栄を願う「亥の子」について写真付きで地域ごとの特徴、歌などを記した。巻末に立石会長の解説を添えている。
600冊を製本し、市内の小中学校に設置するほか、県内の公立図書館に配布する予定。
問い合わせは、同市教委(☎0868721113)。
p
出版された『美作市の民話』
美作市教委「美作市の民話」出版