岡山県は10日、美作市滝宮の養鶏場で死んだ鶏からH5型鳥インフルエンザウイルスが検出されたことを明らかにした。高病原性の疑いがあり、自衛隊に災害派遣を要請し、飼育されている採卵鶏約64万羽の殺処分を始めた。処分数では国内最大規模となる。
県によると、同日昼、この養鶏場から「67羽が1カ所にまとまって死んでいる」と津山家畜保健衛生所(草加部)に連絡があり、簡易検査した死骸を含む13羽のうち7羽の陽性を確認。その後、遺伝子検査を実施した。
殺処分は24時間・700人態勢で行い、並行して消毒作業も進め、1週間から10日間を要する見通し。
同市内には7カ所に養鶏場があり、計約146万羽を飼育。ウイルスが検出された養鶏場から半径3㌔圏内を鶏や卵の移動制限区域、同3〜10㌔圏内を搬出制限区域とし、畜産関係の車両を対象とする消毒ポイントを美作、備前、赤磐市の計6カ所に設ける。
今季は養鶏場での鳥インフルエンザ発生が相次ぎ、これまでに広島、香川、兵庫など計8県で確認。岡山県での確認は2007年の高梁市、15年の笠岡市に続いて3例目となる。
鳥インフルエンザは、A型インフルエンザウイルスが引き起こす鳥の病気で、高病原性と低病原性に区分される。国内では鶏肉や卵を食べて人が感染した事例の報告はない。
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H5型鳥インフルエンザウイルスが検出された美作市滝宮の養鶏場
美作市滝宮の養鶏場で鳥インフルエンザウイルスが検出
- 2020年12月11日
- 行政・公共