美作高校(山北)で12日、福祉医療コースの生徒を対象にした「教育講演会」があり、1〜3年生計63人が若年性認知症当事者の体験談や思いに耳を傾け、支援や介護のあり方について学んだ。
講師は、仙台市に住む丹野智文さん(48)。39歳で認知症と診断されて以降、「同じ境遇の人たちが希望を持ち、暮らしやすくなるように」と啓発や支援などを行っている。
丹野さんは「アルツハイマーに関して多くの人が『不治の病』『判断力が無くなる』といったマイナスのイメージを持っている」と指摘。その上で、「物忘れや失敗もあるが、出来ることもある」と強調した。「失敗を責めて変わりにすべての物事を請け負ったりするのでなく、本人の力を信じて自立や成功につなげてほしい」と訴えた。また自身と家族、友人たちとの関わり合いについて話し、「周囲の理解があれば、誰もが笑顔で過ごせる」と語った。
臨床心理士を目指しているという3年・下平さくらさん(18)は「自分本位で考えるのではなく、相手の気持ちを尊重して適切な手助けをするのが大切と学んだ。将来に生かしたい」と話した。
今後交流を予定している沖縄県の沖縄水産高校の生徒たちもリモートで講演に参加したほか、学校を紹介するなどして親睦を深めた。
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生徒たちの前で話す丹野さん
美作高校で福祉医療コースの生徒を対象にした「教育講演会」