大阪府を拠点に活動する美術家・中島麦さんの個展「LUMINOUS/MULTI/SILVER〜色彩の時間〜」が岡山県奈義町の奈義町現代美術館で開かれ、洗練された鮮やかな空間芸術が来場者を魅了している。12月10日まで。
中島さんは1978年に長野県に生まれ、国内外で個展やグループ展を開催。近年は横たえたキャンバスに高彩度のアクリル絵の具を垂らす手法で抽象画を手掛けている。今回は新作を含めた約250点を出展した。
「luminous dropping」シリーズ(2017年〜)は、注ぎ込まれた顔料がぶつかったり、とどまったりしながら混ざり合う様子をしずくで表現。コロナ禍を経て制作した「multi LD」シリーズ(20年〜)はさまざまな方向から流れる色が重なり合い、疾走感があふれている。そこから派生した新作「SILVER」シリーズ(22年)では、鮮やかな色彩とシルバーの濃淡が調和し、作品に立体感や奥行きをもたらしている。
大阪府から訪れた会社員の宮崎絢子さん(40)は「配色が美しく一体感がある。作品に向き合うと迫力がありますね」と話していた。
問い合わせは、同美術館(TEL:0868-36-5811)