第42回「全国中学生人権作文コンテスト岡山県大会」(岡山地方法務局主催)で、北陵中学校=岡山県津山市=1年の田淵愛衣さんが最優秀賞を受賞した。
同コンテストは人権について理解を深めてもらおうと、県内129校から5736点が集まり、同賞は田淵さんを含む2人が選ばれた。
タイトルは「聞こえないってかわいそう?」。岡山聾(ろう)学校に通う妹の美莉さんとろう者の友人と関わる中での気づきや思いを紹介している。
ろう者同士での高速な手話で会話についていけず孤独を感じた経験から、「この時の気持ちは健聴者の中にいるろう者も同じ。不自由ではあったが、サポートがあれば軽減される」と指摘。さらに相手との関係性によって手話を使い分けたり、静かなところでも気兼ねなく会話ができることなどを❝ろう者の文化❞と表現し、「『障害』だけに注目したネガティブな気持ちを、異文化を尊重するフェアな感情に変えることで、互いに助け合い共生することができる」と伝えている。
山北の市役所で23日、報告会が開かれ、田淵さんは「障害を持つ人はかわいそうじゃないと伝えたかった。選ばれてうれしい」と話した。
野口副市長は「表現力豊かな文体に心が動かされた。相手を思いやる気持ちを今後も大切にしてほしい」と称えた。