岡山県津山市桑下にアトリエを構える画家・平井眞沙江さん(71)の個展「builder(ビルダー)」が沼のくらやアートホールで開かれた。建設に関わる人々を鮮明に描いた油絵が多くの人を魅了した。
平井さんは約30年前に絵を始め、これまで県展や国際芸術展、国美展などで入賞した経歴を持つ。インテリアコーディネーターや建築士、宅地建物取引士の資格を生かして仕事に励む一方で、訪れた建設現場で働く人たちをモチーフにした作品を発表。2006年に創元展に初入選、2016年には準会員賞を獲得し、現在は創元会会員として精力的に活動している。
会場には過去作から近作まで44点を展示。作品は大工たちが棟上げ作業に勤しむ姿を色鮮やかな色彩で表現。梁(はり)の上で注意深く柱を組んだり、重い木材を運んだり、一人一人の動きと過酷な現場の状況を捉えて臨場感あふれる秀作に仕上げている。このほか、情緒的な風景画なども並ぶ。
平井さんは「懸命に働く大工さんたちを長年応援してきた。絵を通して、そのすばらしさや現場の空気を感じ取ってもらえたら」と話す。