岡山県久米郡美咲町は16歳以上35歳未満の若者らの考えを町政に生かそうと24日、同町原田の町生涯学習センター2階多目的ホールで、意見交換会「若者★夢みらい会議」を初めて開き、参加者54人が町内の課題を見つめ改善策を話し合った。
同町は出生率の大幅な低下と転出者の増加、町外へ出た人が帰郷する「Uターン」や定住する人があまり増えないといった状況が続いている状況から今回、未来を担う若者たちの率直な思いを聞き対策を考えていこうと実施した。
参加者は主婦や公務員、会社員などさまざまな立場の人が集まり、和気あいあいとした雰囲気の中グループに分かれて議題に沿って話した。このうち町に定住しにくい点について「買い物ができる場所、子どもが遊ぶ場所が極めて少ない」「高校が無いため、子どもの進学を考えると町外に住むメリットを考えてしまう」「働く場所が少なく就職活動は町外になる」といった問題点を挙げて打開策を議論。
その後グループごとに発表が行われ、「バスの便数を増やすなど交通の利便性を上げる」「ネット環境を整えてリモートワークがしやすいようにする」「町で起業する人を行政がバックアップする」「大型施設をつくる」「林業など町の資源を活用してできる職種を見つける」などと提案した。
同町大戸上の公務員・安東夏羽さん(21)は「町のためにできることをしたいと思って参加した。他の人の意見を聞くことで考えの幅が広がった。自分にできることを具体的に決められるような気がする。今度は中学生たちの意見も聞いてみたい」と話していた。
昨年の町内の日本人出生人数は39人(前年同比13人減)で町制施行以降の最高人数124人に比べて大幅に減少。今年はさらに下回る見込み。さらに今年4月1日付けの調査では35歳以下の若者の人数が2906人(前年同比140人減)で急速な少子化問題に直面していると危機感を募らせている。
