華道の三大流派の一つ・小原流の津山支部創立60周年を記念した特別講習会が18日、岡山県津山市東新町の津山鶴山ホテルで開かれ、メディアに出演するなど国内外で活躍する小原流五世家元・小原宏貴さん(37)による生け花のデモンストレーションが行われ、独創性際立つ作品と創造性豊かな手法に来場者たちが見入った。
各支部の会員ら関係者のほかに一般の来場者も参加。始めに支部が節目を迎えたことに対して坂手豊春津山支部長が「長く歩んできた支部の歴史の重みを深く感じている。この先も会員とともに創立者、稲葉豊雅先生の花に対する熱い思いを次代へとつなげていきたい」と語り、一社・小原流の小原規容子理事長が祝辞を述べた。

続く講習会では宏貴さんが「翠風奏花」と題し、使用する花材の特徴を説明しながら、初夏をイメージした作品の作り方を教授。ユリやハナショウブ、アジサイといった白、紫、青色系統の花、新緑が生える枝葉などをつぼや水盤、枯れ木に生け、爽やかさとみずみずしい生命力を感じる4つの秀作を完成させた。
制作の合間には「何をイメージするかで個性や違いは出てくるが、多様な視点を持って四季折々の自然の美しさを見つめ、楽しむ気持ちが大切」などと創作に対するアドバイスを語り、参加者たちは静かに耳を傾けながら、学びを深めた。
