城東地区の岡山県津山市中之町に31日、複合宿泊施設「美都津山庵」がオープンした。まちづくり団体の津山街デザイン創造研究所(山本昇所長)が手掛け、運営する。「津山は世界に誇る歴史文化の宝庫であることを多くの方に知っていただくための拠点施設」としている。
同研究所が提唱している、世界中から美作地域への観光誘客を目指す「世界に誇る美作国アートゾーン構想」の一環。国重要伝統的建造物群保存地区の旧出雲街道沿いにあった店舗跡を、県産ヒノキをふんだんに使い、和モダンなリノベーションを施した。敷地約160平方メートル、木造2階延べ約200平方メートル。
2階の客室は5部屋で、2〜4人用。津山の四季をテーマに和洋すべて異なるデザインを施し、「鶴山」「吉井川」などと名付け、名前に合わせた古写真を壁紙の一部に使っている。
1階の旧道沿いにはカフェをつくった。白を基調とした店内で「地元の人たちの憩いの場になるよう、カジュアルで誰でも来られる場所を目指した」。目玉商品は蒜山ジャージー牛乳を使ったご当地「ホワイトラテ」。バールームは壁紙に横野和紙を使い、展示している蒔絵(まきえ)の人間国宝ら8人が制作した杯やコースターを使って飲み物を楽しめる。日本原の作陶家・鈴木禎三さんの曜変天目茶碗の展示販売も。エステサロンも併設している。
施設名は高松藩松平家の末えいで大日本茶道協会長、日本おもてなしコンシェルジュ協会理事の松平洋史子さんが「津山の歴史に光を当て、美しい古都として輝きますように」との願いを込めて命名した。松平さんが考案した茶道具の展示販売も行う。スタッフの接客指導は松平さんが務めた。
近くにある、同研究所が昨年2月にオープンした、人気ロックバンドB’zのボーカリストで津山市出身の稲葉浩志さんゆかりのグッズを集めた「178津山ファンクラブルーム」との相乗効果も狙う。山本所長は「世界のなかの津山という目線を大切にしている。城東のランドマークに育てたい」と話している。
総事業費は約8000万円。宿泊費用は1泊1人8000円から。
問い合わせは、美都津山庵(℡0868-20-1781)。
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中之町で開業した「美都津山庵」
複合宿泊施設「美都津山庵」オープン/岡山・津山市
- 2020年4月1日
- 経済・産業