企業経営者らでつくる岡山経済同友会津山支部は、岡山県美作地域を維持、発展させていくためには美作大学公立化と存続が不可欠として22日、初めて津山市と同大を経営する美作学園に今後の取り組みなどを示唆した要望書を提出した。
市に対しては、1996年以降、市に根付いていた私立大学や高校の移転、大手企業の工事閉鎖により若者らが流出したことを踏まえ、「産官学(産業界・自治体・学校)が一体となって課題に取り組む必要がある。大学を市立化して私学単独では難しかった地域のニーズに即した運営に取り組むことで、雇用の創出と若者定着、地域振興や地方創生の礎となる」と嘆願。
一方、学園には福祉と保育・教育、食物に関連した人材育成に貢献していることを称えた上で、市が推進するAI(人口知能)といったデジタル技術を活用した地場産業の振興、地域医療・福祉の強化につながる教育モデルの構築を助言。将来的に重要となる分野に特化した新たな学部を創設して若者を育てていくと維持を図れるとし、「地域の発展に向けて産官学の連携をお願いしたい。市立化の課題解決と同時に進めてほしい」と呼びかけている。
この日、山北の市役所と美作大学=北園町=を訪れ、谷口圭三市長、藤原修己美作学園理事長に要望書を手渡した近堂申洋部会長と佐野芳章副部会長は「町で生活する学生がいることで、不動産といった衣食住に関連した産業をはじめ、多方面で経済的効果をもたらす。さらに大学で技術と知識を得た優秀な人材が就職して定住することにより、地域も発展していく」。「学校がなければ、地域経済は厳しい状況に陥る。市立化によってより多くの学生を呼び込めると考えている。大学を残すのは地方創生を目指すうえで重要。経済、産業界の問題としてとらえて力になっていきたい」と話していた。
谷口市長は「多くの人に関心を持っていただいている。調査を進め、できるだけ早く答えがだせるように検討していきたい」。藤原理事長は「足りない部分を補っていきたい。忖度のないご指摘をいただけたらうれしい」と語った。