8月に岡山空港とソウル仁川空港を結ぶ定期便が増便したことを受け、多くの来訪者が見込まれる韓国市場をターゲットに岡山県の津山、真庭市、奈義町は連携して13日から15日まで、韓国の旅行関係者を招いた「FAMツアー(ファムトリップ)」を開き、3市町の観光地をPRして県北への広域的な誘客促進を図った。
FAMツアーとは「Familiarization Trip(ファミリアライゼーショントリップ)」を略した言葉で、旅行業界やメディア関係者らを招待して現地を視察してもらい宣伝効果を高めるなどの目的で行われる。今回は県北中心に開催中の「森の芸術祭 晴れの国岡山」の認知度向上も兼ねて3泊4日のツアーを企画。韓国各地の旅行会社6社の社員や社長6人が参加した。
初日は奈義町、2日目は津山市と巡り、最終日は真庭市を観光。このうち真庭市豊栄のはんざきセンターでは、保護されている国の特別天然記念物・オオサンショウウオを見物。おかやまオオサンショウウオの会事務局長の浜子尊行さん(74)の説明を興味津々な様子で聞き、日本語で質問する姿も見られた。「地元に生息している生物を大切にし、キャラクターとしてブランド化している戦略はおもしろい」といった声も上がった。
韓国で真庭市を宣伝しているソウル市の旅行会社・チャンネルファクトリーのジョン・サンゴン社長(46)は「県南にくらべて県北は知られていないが、奈義町現代美術館、津山城、扇形機関車庫、真庭市の隈研吾さん設計の建物などすばらしい場所がたくさんある。芸術や鉄道、建築に興味のある人たちが高い関心を持つと思う。加えてホルモンうどんなど、韓国にない県北ならではのおいしい食事もあり、そういった魅力も十分に人を引き付ける」と話し、その上で「森の芸術祭は瀬戸内国際芸術祭のようになる可能性を秘めている。仮に2回目もするとしたら観光ツアーを企画し、募集をかけることができそう。芸術祭が発展することで県北がにぎわうと思う」などと語った。
関連記事