岡山県勝田郡奈義町ゆかりの写真家・三橋直人さん(27)=奈良県上北山村=の企画展「神の住む山 大台ヶ原 Forest Serires」が10日、同町中島西のギャラリーFIXAで始まり、豊かな森の神秘性をとらえた作品に来場者が見入っている。21日まで。
同村で2020年から大台ヶ原の撮影を続ける三橋さんが、祖父の家がある同町で5月に続き展示。自然現象や生物の営み、人が森と関わることで生まれる問題に焦点を当て14点を並べた。
濃霧に包まれた豊かなブナ林をはじめ、空に向かって力強く伸びる幹と枝葉、腐葉土から生える白いギンリョウソウなど生命力あふれる作品がずらり。その一方で、シカの食害によってササが繁茂し、かつてあった樹木が衰退した様子や、人慣れしたキツネの姿などもとらえ、人の過度な立ち入りによる生態系への深刻な影響も伝えている。
三橋さんは「美しい自然は奇跡的なバランスで成り立っている。作品を見て自然との向き合い方を考えるきっかけにしてほしい」と話している。