豊かな森次代に 「宮脇式植樹祭」 家族連れら4460本植える/岡山・鏡野町

自然 藤原教授・ボックス教授と一緒に植樹に取り組む子どもたち
藤原教授・ボックス教授と一緒に植樹に取り組む子どもたち
         

 山田養蜂場(山田英生社長)の第9回「宮脇式植樹祭」が15日、岡山県苫田郡鏡野町馬場の同社が所有する空き地で開かれ、親子連れら234人が、豊かな自然が育まれるようにと苗木を植えた。

 自然環境の再生を図り、豊かな森を次代に残していこうと国内外で展開している事業で、2001年からは県出身の故・宮脇昭さん(1928~2021年)=元横浜国立大学名誉教授=が提唱した「土地の植生を活かし、多品種の樹木を密植して本来の自然環境に戻す」という宮脇式の植樹方法を用いている。

 開会式では山田社長が「生物は自然と共生することで長く生きることができるが現在その自然が危機的な状況にあり、宮脇式の植樹を世界に広めていくことが最適な処方箋だと考えている。同じ志を持つみなさんと日本、世界の緑を回復させる活動を続けたい」とあいさつ。

 県内外から来場した家族連れに加えて、宮脇さんに師事した植樹指導を務める横浜市立大学の藤原一繪特任教授と植物生態学や植物地理学などを専攻し、同植樹法の有効性についても研究しているというジョージア大学のエルジーン・ボックス名誉教授(79)も参加し、アラカシ、スダジイ、ヤマザクラ、シキミなど23品種計4460本を植えていった。

 同社製の蜂蜜を食べていることがきっかけで参加した姫路市の小学4年生・太田空良君(10)は「穴を掘る時、土が固くて大変だったけど、緑を増やすために良いことができてうれしい。木も増えて動物があつまるようになれば」。ボックス教授は「海外では正しい方法の植樹ができておらず、先駆植物が生えてはすぐに枯れていくのが現状。宮脇式はその土地に合う植物がゆっくり時間をかけて育ちながら定着し、森を作っていく。3年間は人の手が必要だがその後は自然に成長し、そこに鳥たちが種を運ぶなどして本来の姿にもどると期待している」と話していた。

 同社は1999年に植樹活動を始めてから今回まで計236万5845本の木を国内外各所で植えてきている。

植樹に取り組む子どもら
植樹に取り組む子どもら


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